日本国は自由経済の国家である。
何人も自由に商売をすることもできるし、しないこともできるのである。
部屋を貸すのも、貸さないにも大家さんの自由である。
「60歳以上の方お断り」「女性限定」「外国人の方お断り」「学生不可」
「生活保護の方不可」どれもこれも、合法なのである。
貸すほうは、自由に顧客を選ぶことができるから、一見不公平なように見える。
ところが必ずしもそうではない。
日本という国は、一旦、部屋を借りることができると、借主にとって
有利な法律がたくさんあるからである。
例えば、大家さんが何らかの事情で、契約満了前に、借主に出て行ってもらいたい
事情が発生しても、そう簡単には出て行ってもらうことはできないのである。
それは借地借家法に規定されているのである。
だから、大家さんとしては、契約前にできるだけトラブルの少なそうな
借主を選ぼうとするわけである。
最近実際にあった話なのであるが、そのアパートは男性ばかりなので、
若い女性が入居すると、何か問題がおきそうとの理由で、
「若い女性お断り」との物件があった。それは、それでなんとなく理解できるわけである。
外国人お断りというのは、はっきりいって、差別である。
でも、現状の日本の法律では合法なのである。
将来的には改正されるとは思うが、まあまあ先の話のような気がする。
数か月家賃を滞納して、夜逃げをしてしまう人だって存在するわけで、
そういう場合、大家さんは基本的に泣き寝入りしてしまう場合がほとんどである。
仮に裁判をして支払い命令をもらったとしても、借主に財産がなければ、
差し押さえることはできないからだ。
ゆえに、大家さんは、借主を選ぶことができるのである。
わが国には、保証会社というものが存在していて、賃貸物件の入居前に、独自の
審査を行い、その人が借主として相応しいかを調べ、その人の家賃債権を保障するわけである。
ゆえに、大家さんとしてみれば、保証会社の審査さえ通れば、契約後に家賃滞納が起きた場合
に、保証会社が家賃を保障してくれるので、リスクはかなり低減できるのである。
でも、多くの場合、この保証審査を実施する前段階で、大家さんが入居者を
選定してしまうケースがとても多いのである。
「自由」といってしまえば、そうであるが、いつも何か、釈然としない気持ちになるのも
事実なのである。
部屋を貸す権利も、借りる権利も、どちらも重要である。
私が感じるのは、もし指定する保証会社の審査が通る人であれば、だれでも自由に
借りれる状況になることが理想だと思う。
コメント