一般的に南東の角部屋が最良とされている。
逆にいえば、北西が最もよくない方位ということになるわけである。
では、北向きの部屋は、よくない物件なのだろうか?
答えは「否」である。
南東の角部屋でも、目の前に大きな幹線道路があるような場合だったら、
静かな北向きの部屋のほうがはるかにマシなわけである。
冷暖房が完備されていない、昭和初期の話であれば、北向きの部屋は避けたほうが
よかったかもしれないが、令和3年の現在において、空調設備は大きく進化している。
北であろうが、西であろうが、空調によっていくらでもコントロールできるわけである。
無論、もし同じような条件で、東南と北西の部屋があるとすれば、
東南のほうがいいに決まっている。
でも、そんなことなど、まず存在しないのである。同じマンションで、
東南と北西の部屋があるとすれば、値段に間違いなく差がでるだろう。
であるなら、より安い北西の部屋を選択するというのも十分にありうるのである。
北西の部屋は、真夏であれば確かにかなり暑くなるわけであるが、
現代の日本の酷暑は、東南であれ、北西であれ、冷房がなければ過ごせない
レベルである。夕方西日が強いなら、その時だけ、カーテンを閉めれば済むことである。
住居としての部屋探しで最も大切なことは、静寂性だと私は考えている。
特に、夜静かでぐっすり眠ることができることが、とても大切だと思う。
東南という言葉にこだわりすぎて、肝心なことを忘れてしまう人はけっこう多いものである。
今でも思い出すのが、私が20代のころに1人暮らしをしていた狛江にある1Kのアパートである。
北西の1階にある物件で、太陽はほとんどあたらない部屋であったが、
本当にすごしやすい部屋だった。とても静かで、日曜日に昼過ぎまで寝ていても、ほとんど物音が
しなかったのでぐっすりと熟睡できたものである。
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